はじめて見るビールで、「飲んでみたいけど、どんなビールかわからないし、失敗はしたくない……」と悩んだことはありませんか?
もし飲んだことがなくても、ビアスタイルさえわかればだいたいどんなビールなのかがわかります!
この記事では、「ビールを大きく分けるとエールとラガーになる」ということを中心にご紹介します!
また次の記事では、「これだけ覚えよう!スタイルの分類の仕方」をご紹介します。大事なポイントだけ覚えてもらえると、ビール選びにとても役立ちますのでぜひ参考にしてください!
ビールの分類は細かく言うとめちゃくちゃ難しい!
ワインはぶどうの品種でわかりやすく分類できます。
しかしビールは、
ビールの分類要素
・酵母の種類
・色
・国、地域
・法律で保護された呼称
など
いろいろな観点から分類できるため、かなり複雑です。
また伝統手法と技術革新の融合した新しいビールが常に生み出されているので、ビアスタイルも変化が求められています。
ビアスタイルの分類は音楽に似ている!?
ビールを種類で分けることは、音楽の分類に似ています!
音楽のジャンル分けも難しいですよね。
例えば、クラシックとポップスは古いか新しいか?です。
邦楽と洋楽はどこの国で生まれた曲か?でしかないですよね。
では、質問です!
ホルストの組曲「惑星」から「木星」の中間旋律部に日本語の歌詞をつけた平原綾香の「Jupiter」は、クラシックですか、J-popでしょうか?
キテレツ大百科のオープニング曲「はじめてのチュウ」を、英語詞にしてロックバンドで歌ったHi-STANDARDの「MY FIRST KISS」は、アニソンですか?ハードロックでしょうか?
というふうに、音楽の分類は一筋縄ではいきません。
ビールも同じです!どのスタイルにも当てはまらないビールもあります。
それがもとで、ビアスタイルガイドラインが書き直されるーなんてこともしょっちゅうです。
特にベルギーなどでは「ビアスタイルに分類することなど、野暮」という風潮もあります。
そもそもビアスタイルって何?
それじゃなぜ、ビアスタイルなどというものがあるのでしょうか?
別に分類なんてしなくていいやん、おいしければ何でもええやん!と考えてしまうでしょう。
ですがビアスタイルがないと、それがどんなビールなのかわからなくなってしまいます。
もしビアスタイル書いていないと、好みじゃないビールを飲んでしまうかもしれません。
また品評会などでは、ある程度スタイルごとに分けて審査しないと全く違うビールが同じ土俵で戦うことになります。
もし格闘技の選手と球技の選手が、同じ「スポーツ」というジャンルだからといってプールの中で試合をするとなれば、ルールがおかしな事になっちゃいますよね?

日本地ビール協会は、ビアスタイルを106に分類しています。(2016年1月現在)
このブログでは、このビアスタイルガイドラインに沿ってご紹介しています。
・・・が、ビアスタイルは生きています!
アルコール度数や色味数値が、ガイドラインに完全に当てはまらない場合もあります。
そういうときは、先ほどの「ビールは音楽」を思い出し、寛容に受け止めてください!
ビールのスタイルを大きく分けると3つ!
3つと書きましたが、今回の記事のタイトルにもなっている「エール」と「ラガー」
今日は、この2つだけ覚えてもらえたら嬉しいです!
ビールをざっくり分けると「エール」「ラガー」「その他」に分けられます。
これはビールの最も基本的な分類で、“酵母の種類”によるものです。
ビールは、麦芽由来の糖を酵母がアルコールと二酸化炭素に分解してできます。
活動を終えた酵母は、ふよふよふよ〜〜と浮かんでいくものと、ずーーん……と沈んでいくものがあります。
上の方に浮かんでいくものが、上面発酵酵母(エール酵母)です。下の方に沈んでいくものが、下面発酵酵母(ラガー酵母)です。もう少し詳しくみていきましょう!
エールビール

エールビールとは、エール酵母(上面発酵酵母)を使っていて、華やかな香りが特徴です。
昔からある製法で、温度が上がってもおいしく飲めるものが多いです。
特徴は、なんといっても エステル香ですね。
エステル香とは発酵の副産物として醸しだされる香りで、リンゴやバナナ、洋ナシなどの香りがします。
だから、エールビールにはフルーティな香りがするものが多いです。
また高温、長期間で発酵させるので、まろやかな味わいになることが多いです。
イギリスのパブでは、コーヒーの代わりにエールビールをちびちび飲みながら新聞を読む文化があるそうです!冷やさないとおいしくない!という、いわゆるビールの常識とは正反対のビールですね。
ラガービール

ラガービールはラガー酵母(下面発酵酵母)を使っていて、さっぱりした喉ごしが特徴です。
15世紀以降に登場した新しい製法ですが、現在飲まれているビールのおよそ7割はラガービールです。
低温、短期間で発酵させるので、クリアな色味と味、シャープなキレと喉ごしが特徴です。
日本で飲まれている約9割はラガービールです。
プレミアムモルツの「香るエール」やヱビスの「華雅」など、極稀にエールビールが発売されますが、本当に 極稀 です!
「スーパードライ」も、「一番搾り」も、「サッポロ 黒ラベル」も、全てラガービールです。
その他
どんなものでも、例外はあります。エールにもラガーにも当てはまらないものを、酵母と製法の観点から紹介します!
野生酵母
普通、ビールを作るときは「麦汁◯ℓで、比重◯◯のビールを作りたいからら、この発酵強めな酵母を◯ℓ添加しよう!」などと計算して作ります。
酵母には純粋培養法という増やし方があって、優秀な酵母だけを培養して保管しておくことができます。
醸造家はそれを必要なときに必要なだけ使います。
しかし、そんな計算をせずに「その辺を漂っているであろう酵母が勝手に飛び込んできて、発酵させるのを待つ」というワイルドな作り方があります。
その製法を自然発酵と言い、そのときに飛び込んでくるワイルドな酵母を野生酵母と言います。
普通の酒蔵は、雑菌が繁殖すると製品に影響が出るので、徹底して清掃・殺菌します。
しかし、自然発酵でビールを作る醸造所は、殺菌して酵母を追い出してはいけないので、掃除厳禁となっています。対照的で面白いですね!

自然発酵のビールはランビックと呼ばれますが、とても酸っぱいです!!
苦手な方は本当に苦手ですが、クセになるととてもハマってしまいます。
ハイブリッド製法
先ほど、エール=高温・長期熟成=フルーティ ラガー=低温・短期熟成=さっぱりと説明しました。
しかし世界には、エール酵母を使いながら低温・短期熟成をするケルシュや、ラガー酵母を使いながら高温・長期熟成させるカリフォルニアコモンというスタイルもあります!
ケルシュはドイツのケルン地方のビールで、華やかな香りがありながらもさっぱりした喉ごしを持つ、エールとラガーの良いとこどりのビールです!

カリフォルニアコモンは、開けた瞬間にガスが蒸気のように噴き出すことから、スチームビアとも呼ばれています。
アメリカのクラフトビールのパイオニアと言われている、アンカーのスチームビールが有名ですね。
ビールの分類は好みのビール選びに失敗しないためにも重要!
最初に書いた通り、ビールの分類はすごく難しいです。
しかし、ある程度分類の仕方を知っておくことは、とても重要です!
まずはエールなのかラガーなのかそれ以外かを分けましょう。
それ以降の詳しい分け方については、次の記事を参考にしてください!