前回までの記事で、適温に管理されたビールと、清潔に用意されたグラスが出揃いました!!
あとは注ぎ方ですね!
大手メーカーではよく三度注ぎがおすすめされていますが、スタイルによっては一度注ぎ・二度注ぎでも良いと思います!
三度注ぎ
①高めから注いで荒い泡を作る
②落ち着いたら、少し近めから泡を持ち上げるように注ぐ
③ふわもこの泡がグラスから少しはみ出るように注ぎきって整える
という、少し時間のかかる注ぎ方です。
ポイント
・炭酸のトゲが取れる
・温度が少し上がる
・泡に苦味成分が吸着する
ので、かなりマイルドな飲み口となるなどの特徴があります!
ビールの苦味が苦手な方におすすめな注ぎ方です。
一度注ぎ
一度注ぎは、ほとんどの方がされている注ぎ方ですね。
最初から最後まで一回で注いでしまうという。
一発で泡:液体が狙った比率になるには、熟練した技術が必要です。。
上司や先輩などへのお酌には気を遣いますが、腕前を披露するチャンスだと前向きに捉えましょう!
一般的には3:7や2:8がベストと言われていますが「泡は全く必要ない」という方もいますので、好みの把握が必要です。。
グラスにはほとんどメーカーのロゴが入っているので、私はいつも泡と液体の境目がちょうどロゴの真ん中になるように狙っています!
二度注ぎや三度注ぎはグラスをテーブルに置いたまま注ぎますが、一度注ぎはグラスを傾けながら泡の作り方を調整していきましょう。
グラスの中で洗濯機みたいに渦を巻くように、対流させながら注いでいくのがコツです。炭酸が残り、シャープな飲み口になります。
二度注ぎ
トラピストやヘーフェ・ヴァイツェンなど、瓶内で二次発酵をしているものは、底に酵母が溜まっています。
酵母を注ぐと、独特の香り(イースト臭)がするので、入れないで飲んだ方が良いものもあります。
逆に酵母も飲んでしまう方がおすすめの場合もあります。
酵母も入れた方がいい、入れない方がいいとブルワーが指定する場合は、だいたいラベルの裏面に書いてあります。
もし何も書いてなければ、お好みで入れてください!
酵母を入れるとコクが出てボディが強くなるので、クリアな味わいが好きな方は澱なし注ぎ(酵母を入れない)がおすすめです。
1、ビールもグラスもよく冷やす
瓶内二次発酵のビールは、泡立ちが豊かなことが多いです!
ぬるいビールは必要以上に泡が立つので、ビールもグラスも適温より少し低めに冷やしておきましょう。
急冷ではなく、冷蔵庫で1日以上静置するなどして、ゆっくり冷やすのがベストです。
揺すったり、いきなり氷水に漬けるのは禁物です!
またグラスも、注ぐ直前に氷水で冷やし、水気を切って、拭かないで使うことをおすすめします。
2、そーっと注ぐ
グラスを45度に傾けながら、瓶を近づけてそーっと注ぎます
最初の泡立ちが豊かなら、落ち着かせながらゆっくりと。
最初にあまり泡が立たなければ、瓶をほんの少し高めにしてもOKです。
ここで7割ほどビールを注ぎます。
3、澱を入れるor残す
入れる場合
瓶を軽く揺すって、底に溜まった酵母をたたせます。
グラスを立てて、泡がふわもこになるように注ぎきります。
ヴァイツェンではほぼ確実に酵母を注ぎ切ります。
残す場合
瓶の中に液体が1cmほど残るように、うわずみの液体部分だけを、グラスを立てながらそーっと注ぎ切ります。
私が瓶内二次発酵のビールをお客様に提供するときは、この澱残し注ぎでお出ししています!
「残った酵母はお好みで入れてください」とお伝えしています。
また自分で飲むときも澱なしで注いで、半分ほどになったら瓶を揺すって澱を立たせ、酵母を注ぎきって、味わいの変化を楽しんでいます。
泡なし(茶坊主注ぎ)
ぎりぎりまでグラスを傾け、注ぎ口を極限までグラスに近づけて、 そぉ〜〜 っと注げば、泡なしにすることができます。
炭酸が反応しないので最も炭酸の刺激を強く、ドライでシャープに感じることができます。
空気に触れやすくなるので、急いで飲むときや喉ごしを楽しみたいときにおすすめです。
ドイツビール注ぎ
かなり特殊な注ぎ方です。
ミュンヘンのヴァイツェン以外では聞いたことがありません!でしたが……
最近は日本でもラガーでこの注ぎ方をする人がいるそうです。。
最初は、このようにゆっくりと転がして、底に沈んだ酵母を立たせます。
グラスを上から被せたら、勢いよくひっくり返してそのまま瓶を持ち上げ注ぎます!
ビールはしっかり冷やしておくこと、勢いよくひっくり返すことが重要です。
また動画では省略していますが、瓶の中に少しビールを残しています。
30秒ほど待って泡が落ち着いたら、瓶の中身を軽く揺すって上から注ぎ切るようにします。
皆さんもぜひ練習してみてください!(こぼれても大丈夫なように布を敷いてくださいね
同じビールでも注ぎ方で全然変わります
もし、全く同じ形のグラスがあれば、同じビールを違う注ぎ方で注いでみてください!
ここまで変わるのかと驚きますよ!!
どんな注ぎ方が良いのか……
それは、完全に “好み” です!!
最もおいしく感じる注ぎ方を研究してみてください!
おうちで飲むコツの連載、どうでしたか?
以上、過去5回に渡っていろいろと細かいことまでお伝えしてきました。
しかし、あまり難しく考えすぎると面倒になってしまうものです!
ビールの最大の魅力は楽しく飲めることだと思いますので、あまり気取らず頑張り過ぎず「楽しめる範囲で美味しく召し上がっていただければ」と願っています!
それでは、満を持して……
かんぱ〜〜い!!!