
皆さんの中で、「とりあえず、生中!」という注文をしたことがある、という方はいますか??
おそらく、ほぼ全員が「とりあえず生で」と注文したことがあるのではないでしょうか。
それじゃ、「生ビール」って何か、はっきりと説明できる方はいらっしゃいますか?


実は、生ビールの定義って、容器の違いじゃないんですよ!!
今回は、そのあたりを詳しくみていきたいと思います!
生かどうかは酵母の処理の違い!
お酒は、イーストが糖をアルコールと二酸化炭素に分解するころによって作られています。
発酵が終わったあとのビールには、活動を終えた酵母がふよふよしています。
ベルギーなどには、ビールを瓶詰めするときに酵母と追い糖を入れて、瓶の中で発酵がすすむようにしているものもあります!
が、日本で作られているほとんどのビールは、発酵が終わると酵母を取り除きます。
澱としてたまったり、不快な成分の原因になったりしますからね。
熱を加えると細菌は死んでしまうので、昔は打栓後の瓶にお湯をかけて酵母の活動を止めていました。
ワインや牛乳にも使われている殺菌法ですね。
こうしてできたビールを「熱処理ビール」といいます。
しかし近年、特殊なろ過装置を使ってお湯をかけなくても酵母を取り除く技術が確立されました!
ろ過で作られたビールを「生ビール」といいます。

同じキリンの缶ビールでも、熱処理しているクラシックラガーは「ビール」の表示ですが、ろ過で処理している一番搾りは「生ビール」の表示になっていますよね!
こうして完全に酵母がいなくなったビールは、缶・瓶・金属樽(ケグ)などに詰められます。
つまり、容器が違うだけで、中身は同じということですね!
*もちろん、例外はあります。クラフトビールの醸造所では、容器によってレシピを変えることもあります。
ただ、キリンやアサヒなどの大手は、容器でレシピが違うということはまずありません。
日本人は「生」が好き!?

今 日本で売られているビールは、一番搾りもスーパードライもサッポロ黒ラベルもほとんどが「生ビール」です。
なんでもお刺身で食べるだけでなく、「生キャラメル」や「生カステラ」が大流行する日本人らしいなと感じます。
熱処理ビールの代表銘柄といえばキリンの”クラシックラガー”と、サッポロの”ラガー(通称「赤星」)”ですね。
どちらもどしった旨味があり、雑味が少なく、多くのビール飲みから高い支持を集めています。
私も、飲みに行った先にこの2銘柄があれば、必ず注文します!
ここまで読んでいただければ、冒頭の通説が正確じゃないことがわかってもらえるかと思います。
サーバーから注がれる熱処理ビールは生ビールではありません。
缶や瓶に入っている一番搾りやスーパードライは「生ビール」です。
これからお店で注文するときは、「とりあえず生で」のようなビールへの愛のない言い方はやめて、「一番搾りをくださ~い!」や「スーパードライをお願いします!」など、きちんと名前で呼んでオーダーしてあげてくださいね~!
*ちなみに、海外ではサーバーから注がれるビールを「ドラフトビール」と呼びます!ややこしや(>_<)