前回の記事では、「1000円のビールは高いか?」について書きました。
前回はどちらかというと、
初心者さんを歓迎すべき
↓
クラフトビールを試すハードルを下げるべき
という視点から、値段は高すぎない方がいいと述べました。
しかし今回は、必要以上に値段を下げない方がいいという理由を2つご紹介します。
この視点は、ビール業界・飲食業界の未来を見る上でかなり参考になるのではと自負しています!
早速ひとつ目からご紹介します!
下げない方が良いと思う理由①当然の対価である
クラフトブルワリーの求人広告を見たことがありますか?
事業規模が大きく、業務が細分化したメーカーさんは別ですが、基本的に醸造所の労働条件はブラックです。。
今のクラフトビール界は、志あるビール好き達によって、ビール愛のみで支えられていると言っても過言ではありません。
コロナ禍でお酒が非難の的となっている今、いつ崩壊してもおかしくない状態です。
できることなら、技術を持った職人さんにはたくさん報酬をいただいてもらいたい。
若い人が「自分もああなりたい!」と思えるようにして欲しい。
それがレシピの、ひいては業界全体の活気に繋がります。
伝統的なスタイルは、ピルスナーより原価がかかることが多いです。
しかも大手メーカーのように大きな釜で作るわけではないので、手間も時間もかかるんです。
厳しい物言いになりますが、
「パイントで千円払うのが嫌なら、自分で作ってみ?」
ということです。
作っている方、流通させている方、売っている方、、、皆さんへの感謝を忘れないようにしたいですね。
下げない方が良いと思う理由②嗜好品の棲み分けとしての付加価値
キリンシティさんが、飲み放題プランを終了したことが話題になっています。
キリンシティ様公式HPより引用
皆さんは、朗報だと思いますか?悲報だと思いますか??
私は朗報だと思いました。
これは、きちんとビールを出すお店では、
「安く酔えたら何でもいいという客は要らない」
「一杯ずつ味わえないなら来なくていい」
という表明に他なりません。
正直に言って、私は「3,000円で食べ飲み放題!」みたいなお店には、滅っっ多に行きません。
なぜなら、お料理も飲み物にも「お客様に喜んでもらおう」とか「うちの自慢のものを堪能してもらおう」という気概が感じられないからです。
失礼ですが、そういうお店は些細なことで店員さんにクレームをつける、他のお客様の迷惑を顧みずに騒ぐ、酔っ払いすぎてトイレに閉じこもる、など客層も良くないことが多いです。
それは「敬愛をもってお酒を楽しむ」という姿からは程遠いですね。
安く飲み食いできるお店を否定するわけではありません!
お財布が厳しい方や、学生さんの飲み会のために、そういうお店は必要だと思います。
ただ、お店の質、サービスの質、客層の質は客単価に比例するというのは事実です。
“回転寿司”と“廻らない寿司屋”が別物なように、一杯ずつにこだわりがある飲食店とそうでない飲食店に差があるのは当然です。
顧客としても、そういうお店を利用している自分、味わって楽しんでいる自分を感じるために、レベルの高いお店を選んでいるんじゃないでしょうか。
そこに大声で怒鳴り散らす隣客がいたら台無しです。
割高な代金は、お客様の快適を守る為の保証金とも言えます。
補足:飲み放題がなくなると思う理由
飲み物にプライドのあるお店では飲み放題がなくなるだろうと述べましたが、飲食店全体としても飲み放題は縮小傾向に向かうと予想します。
それは、西村経済再生担当相が「自粛しない飲食店には金融、卸売り、顧客それぞれから取り締まる」と表明したように、会食、特にお酒を介した会食に厳しい目が向けられているからです。
私の心の師匠である藤原ヒロユキ先生は、
『今まで日本は、「お酒の席だから」とか「お酒が入っているから」という理由で失礼なことをするのを許す文化にあった。今回は溜まりに溜まった鬱屈が爆発し、お酒に対する非難が集中したのだろうと思う。今後は、お酒の飲み方を正しく弁えること、またお酒を味わって楽しむ文化が根付いていくだろう』
とおっしゃっていました。
私もそう思います。
お酒を出すお店で働いていれば、
「お姉さん彼氏いるの?」とか「この中で誰が好み?」とか……(これ以上は書けないような内容の事も...)
セクハラを受けるのは当たり前のようにあります。
飲めない方に無理やり飲ませたりなど、相手へもお酒へも配慮を欠いた言動は、淘汰されて然るべきです!
すべてのお酒が、楽しく、味わって飲まれることを切に願っています。(失態をお酒のせいにしてきたエセ社会人、反省しろ……!とマクドでJKが言ってました)
ビール(お酒)はルールを守ってみんなが楽しく!
前回と今回を超要約すると・・・
・ハードルを下げて初心者を沼にハマらせよう!
・味わって楽しもう!マナーは守ってね!!
ってことです!!!!
ここまで読んでくださった方は、もうクラフトビールのファンでしょう!笑
次はあなたが魅力を伝える番ですよ!!