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ビール界を揺るがす11年ぶりの大ニュース!コロナ禍がビール業界にもたらした影響が!

11年ぶりのニュースが飛び込んできました……!

ビール類のシェアNo.1の座が、アサヒからキリンに移ったというのです……!!

「シェアってなに?」「なんで首位が交代したの?」などなど、ビール業界の内外について詳しく解説していきましょう!!

ビール類シェアNo.1とは?

アサヒ・キリン・サッポロ・サントリーのビール大手4社が公表している、ビール類の課税出荷量の割合を表したものです。

ビール・発泡酒・新ジャンルの出荷量について簡単に説明すると
A社「うちは4万箱売りましたよ」
K社「うちは3万箱です」
P社「うちは2万箱」
T社「1万箱しか(´;ω;`)」
だったとします(あくまでも架空の数字です!)

この場合、全体の売り上げは(4+3+2+1=)10万箱です。
だから、それぞれのシェアが
A社:4/10=40%
K社:3/10=30%
P社:2/10=20%
T社:1/10=10%
となり、シェアトップはA社となります。
 
しかしこれは大手4社だけの比較です!
オリオンも含めた大手5社比較のものもあるので、注意が必要です。
 
また“売り上げ”(金額)を比較しているわけではなく、“出荷量”(数量)を比較しているというところも注意しなければなりません。

具体的に2020年に何が起きた??

コロナ禍が猛威を振るった2020年。
酒税改正もあり、ビール市場にも大きな変化がありました。

酒税改正について詳しく


そしてさらに、ビールシェアにも変化が。

なんと、アサヒビールが毎年公表していた課税出荷量を公表しないというのです!

塩澤賢一社長は「過剰なシェア争いをやめるため」と話しているそうですが、他社からは「首位の座が脅かされているから、勝ち逃げする気だ」との批判も上がっています。


アサヒが正式な数字を公表していないので、ここからは推測です。

キリン、サッポロ、サントリーは、大手4社による2020年のビール類の販売実績をまとめ、2019年に比べ9%減と発表しました。

そこから各社の販売実績を引くとアサヒの実績が出て、シェアの割合がわかります。

その結果.....
アサヒ:35.4%
キリン:37.0%

と、11年ぶりに首位が交代したという結果になったのです!!!

11年前の首位交代については、こちらの本に熱く書かれています!!

私も何度も涙が止まらなくなり、「もっとビールの魅力を伝えよう」「そのためには、凡事徹底とパッションが大事なんだ」と思わされました。

ビール業界関係なく全ての働く人に読んでほしい本ですが、特に何かの営業をされている方にはきっと参考になると思います!!

首位交代の要因は……?

一番の要因は、間違いなくコロナ禍でしょう。

三密を避けるうえでは、マスクを外して長時間対面して話すようなお酒を提供する飲食店は完全にアウトです。

特に席数の多い、大人数での貸し切りパーティなどがメインターゲットだったお店は、目も当てられないでしょう。。

ビールの売り上げは、大きく分けると「業務用」と「家庭用」です。飲食店に卸すものと、家で飲むものですね。

アサヒは家庭用よりは業務用が強かったから、打撃も大きかったんですね。

また発泡酒や第3のビールよりも、スーパードライ(酒税法上のビール)が強かった。

収入が減り、家計の負担を気にする消費者には、スーパードライは手が出しにくかったのでしょう。

一方キリンは、戦後からずっと家庭消費が強かったんです。

アサヒが2001年(外食が当たり前になる頃)に首位を奪うまで、キリンビールの一強でしたしね。

さらにキリンには、「本麒麟」という大ヒットの新ジャンル商品もあります。

お家で自粛しており、オンライン飲み会の頻発した時期には、ありがたい存在だったことでしょう。

2021年以降はどうなっていく?

ひとつの見方として
「今までも人類は多くの疫病や災害に見舞われてきた。教訓を得ることもあったが、ほとんどの場合は大事なことを忘れて失敗を繰り返してきた。今回も、すぐに手洗い・うがいをしなくなり、三密をする状況が戻ってくるだろう」という人もいます。

一方、「以前のような生活が戻ることはない。“マスクをしながら話すのは失礼”というマナーは過去のものになった。今定着している“マスクをしないのは失礼”という価値観が覆され、“人と話すときはマスクをしないように”と言われることはあり得ないだろう。これからはいかに新型コロナウィルスと共存していくか、が大事だ」という人もいます。

実際のところはわかりません。コロナ禍以外の要因でビール業界に大きな影響があるかもしれませんから。

一昨年に、昨年の状況など全く予想できなかっただろうと思いますし、未来の予測など役に立たないということがよくわかりました。


それでも、おそらくですが、飲食店が2021年内に以前のような活気を取り戻すのは難しいのでは無いかと思います。

結婚披露宴などのとても大きな晴れの日でも、少人数の身内だけで感染対策をしながらの開催となるでしょうから、席数の大きなところは維持が難しいでしょう。

小さな個人経営店は、常連さんを捕まえていればまだ希望がありますが、それでもビールの売り上げが以前のようにとはいかないでしょうね。

となれば、やはり業務用ではなく家庭用に舵を切ってしまうのが妥当でしょう。

もしくは・クラフトビールなどに注力して単価を上げる・家庭用でも樽生ビールを楽しめるサービスを展開するなどの方法もありますね。

いずれにしても、世界は目まぐるしく変わっています。上記の田村潤さんの本でも触れていますが、やはり変化には敏感でなければいけませんね。

今回は大手のシェア変動を機に、ビール業界の内外について考えてみました。

メーカーさん、飲食店さん、飲み手の皆さんにとっても興味深い内容になったのではないかと思います。

今は皆さんそれぞれ大変な時期だと思いますが、10年後に「あの頃は大変だったな!」と笑って乾杯できるよう、生きて乗り越えましょう!!

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