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【閲覧注意】「クラフトビール」とは何ぞや!?大手メーカーが「クラフトビール」を掲げて踏み込んでくる大手にいむらがツッコむ!!

先日、びあけん2級に合格した後輩から、「この記事についてどう思いますか?」とメッセージが来ました。

同内容の広告が、インスタやTwitterでも流れてきますね。

要約すると、

記事の要約

・クラフトビール市場が盛り上がってきている
・クラフトビール市場は『スプリングバレー 豊潤〈496〉』が牽引している
・『スプリングバレー 豊潤〈496〉』は、他に類を見ない“ディップホップ製法”を採用しているため、非常においしい
・SNSでも「感動した」の声が続々


…………だそうですよ。皆さんはどう思いますか??

私の初見の感想は
いむら
……ツッコミどころが……!ツッコミどころが多い………!!!

でしたね。

おいおいおい、ちょっと待てよと。

いくらキリンビールのPR記事だからって、ちょっとやり過ぎじゃないですかね朝日新聞さん??と思いました。

逆に、「何が違和感なのか?」「そもそもクラフトビールってなんなの?」を発信することは、いちビールの伝え手として大事なことなのではないかと思い、こうして筆を走らせております。

本記事は、いつになく過激な内容になるかと思います。

「おいしい!」が連呼されるほのぼの記事をご所望の方は、マリアージュの記事へ飛ばれることをおすすめします。

そもそもクラフトビールとは?

上記サイトの中で、クラフトビールの定義について

大手5社以外の国産ビールに加えて、大手5社でクラフトビールと訴求している国産ビールをクラフトビールとして商品選定を行っています。

日経ビジネス様より引用

とあります。

まずここが疑問ですよね。

大手が「これはクラフトビールです」って売り出していれば、クラフトビールになるんですか?

じゃあ「うちは素材にこだわり抜いて情熱を持ってビールを作っている、クラフトブルワリーの最大手です」と言っていた(私が展示会で直接聞きました)サッポロビールさんは?

黒ラベルも赤星もクラフトビールになるんですか??

結局、自分で決めた定義なんて、自分にとって都合が良いに決まっています。

もっと公平に「クラフトビールとは、これです」という定義が必要ですよね。

全国地ビール醸造者協議会では、「クラフトビール(地ビール)」は次のように定義されています。

1.酒税法改正(1994年4月)以前から造られている大資本の大量生産のビールからは独立したビール造りを行っている。

2.1回の仕込単位(麦汁の製造量)が20キロリットル以下の小規模な仕込みで行い、ブルワー(醸造者)が目の届く製造を行っている。

3.伝統的な製法で製造しているか、あるいは地域の特産品などを原料とした個性あふれるビールを製造している。そして地域に根付いている。

「クラフトビール」(地ビール)とは « 全国地ビール醸造者協議会さまより引用

これは、アメリカのクラフトビールの定義

アメリカのクラフトビールの定義

①(大手メーカーからの)独立
②小規模、少量生産
③伝統的な製法


の影響を受けていますね。

この定義を当てはめるなら、キリンやサントリーが作るクラフトビールも、キリンから出資されているスプリングバレーブルワリーも、クラフトビールではないということになりますね。

アメリカではアンカーやサミュエル・アダムスをはじめ、もともとクラフトブルワリーだった醸造所がどんどん大きくなり、大手にも迫る生産量になってきたため、クラフトビールの定義の見直しが行われています。

日本でも、いずれヤッホーブルーイングがオリオンビールの売り上げを超えるでしょう。コンビニでも陳列状況を見ると、もしかしたらもう超えているかもしれませんね。

そうなったとき、小規模とは?という部分が見直されるでしょうね。

大手メーカーへの委託醸造は、どの程度ならOKなのか?目の届く範囲とは??

まだまだ余白のある定義ですね。今後の業界の動向に注目が必要です!

ちなみに、「地ビール」と「クラフトビール」の違いについては、ヤッホーブルーイングの紹介記事で触れております。こちらもぜひご覧ください!

日本のビールの歴史を変えた!?ヤッホーブルーイングを紹介!

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満載なツッコみどころ

豊潤〈496〉もスプリングバレーブルワリーもクラフトビールではないとわかったところで……。

他にもツッコミどころ満載だったので、ひとつずつクリアにしていきたいと思います。

まず、クラフトビール業界の発展について。

ヤッホーの記事でも書きましたが、衰退傾向にあった「地ビール」から、作り手の想いとこだわりの詰まった「クラフトビール」へと転換し、業界をV字回復させたきっかけのひとつは、まちがいなく井手てんちょが楽天の三木谷さんからの手紙を見つけたことです。

当時の様子が詳しく書かれています↓↓↓

それと今、クラフトビールのシェアが増えているのは、キリンビールさんのタップマルシェ&ホームタップ戦略もありますが、コロナ禍による「自宅で良いものを少しだけ」という風潮と相まった、ヤッホーブルーイングのコンビニ展開もあると思いますよ。


ファミリーマート、セブンイレブン、ローソン、デイリーヤマザキにも、『よなよなエール』『銀河高原麦酒 小麦のビール』『水曜日のネコ』が買えるんですもの!

ビールの苦味が苦手な方からすれば、ヴァイツェンやホワイトエールの方がインパクトはあると思います。

続いて「ディップホップ」について。

“難易度が高く、他に類がない。海外の醸造家からは「クレイジー」と称された”とのことですが、一体どなたがそんなことを言ったのですか?

今やディップホップ、ドライホップは当たり前の時代です。

衛生管理のしやすい大手の設備なら、より容易なのではないでしょうか。

ホップの使い方については、最近の記事で詳しく紹介しています↓↓↓

おそらくこの記事を執筆された方は、ビールについての造詣は深くなかったのでしょうね。

それでも、何も知らない消費者に都合の良い情報だけを流すのは、メディアのあるべき姿とは言えません。

キリンビールでクラフトビールのPRをするなら、ホームタップに焦点を当てるべきでした。

私が書いているのは拙いブログ記事ですが、ビールへの愛をもって初心者さんにわかりやすく伝えているつもりです。

国民の9割に及ぶ「クラフトビールが好きではない、飲んだことがない」という方に、私の言葉が届きますように。

“クラフトビール”に対する間違った認識が広がらないよう、切に願っています。

大手は大手、クラフトはクラフトの良さがある!

私のモットーは「批判するくらいなら書くな」でしたが、今回は信条を曲げて筆を走らせてしまいました。

ひとつだけ言わせてください。

私は『スプリングバレー 豊潤〈496〉』が嫌いなわけではありません!!まだ496をスプリングバレーが作っていたときに、イベントで使ったこともあります!

ただ、キリンが醸造し始めてから確かに味が変わったと思います。

だから『豊潤』という名前になったのかなと想像しています。

これからも、クラフトビール業界はどんどん発展していくでしょう。

大手メーカーがどう折り合いをつけていくのか?は、企業の器の見せどころですね。

私たち消費者も、メディアの一方的な情報に惑わせれず、本当においしいものを求めていく姿勢が必要です。

そんなときに、このブログで発信された情報が皆さまの参考になることを願っております!

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