ビールの楽しみ方

ビールを造る際、ホップはいつ入れるのか?○○でしょ?実はホップを入れるタイミングでこんなに変わるんです!

みんなー!HOPキめてる??

ホップジャンキー愛好家のいむらです!!

前回の記事では、ホップをどういう形状で使うのか?についてお話しました↓↓↓

ビールに入れるホップの形状

今回は、「ホップっていつ使うの?……今でしょ!!」という話をしていきます!!

仕込みの前段階か最後の方かで、全然役割の違うホップ。

ビールの仕込み工程とともに見ていきましょう!

製麦

思えば、このブログでビールの醸造工程を解説したことはありませんでしたね。

またいつか詳しく解説いたします!

今日はホップの焦点を当てるので、ざっくりしたご紹介です。

まずは製麦。麦に芽を出させて、麦芽にします!

麦と麦芽について詳しく


この工程は、ほとんど麦の収穫地で行われます。

だから、日本には麦芽になった状態で輸入されることがほとんどです。

マイシェ作り

粉砕した麦芽とお湯を混ぜて、マイシェと言う麦のおかゆを作ります。

だんだん温度を上げて、タンパク質の分解や糖化を促進します。

75度まで上げて酵素が活動を停止させたあとは、一旦ろ過します。

麦汁煮沸

これはとても大切な行程です!

ろ過したら、発酵前に一旦ぐつぐつ煮るんです!!

その目的は...

煮沸する目的

・殺菌・濃度を適正にする
・好ましくない香りをとばす
・酵素の働きを完全に止める
・タンパク質を固めて取り除きやすくする
など


がありますが、とりわけ

ホップ成分を抽出する

これもめちゃくちゃ重要です!

ルプリンをしっかり抽出するには、やはり煮るのが一番です。

しかも、たとえホップに雑菌がついていたとしても、煮沸するので安心です。

ただししっかり煮ると、苦味成分がしっかり出るのと香気成分が揮発してしまうのとで、苦味の強いビールができあがります。

煮沸の最初の方にホップを投入することをケトルホップ、最後の方に投入することをレイトホップといいます。

最後の方だと、苦味成分はほとんど出ず、香り成分も揮発せずに残ります。

ただ全くケトルホッピングなしだと、泡もちや殺菌作用や清澄作用が働かなくなるので、これも注意が必要です!

主発酵

凝集物を取り除いて冷却したら、いよいよ発酵させます!

酵母が糖をアルコールと二酸化炭素に分解するやつですね。

このときにホップを投入することをディップホップと言います。

熱の影響を受けないので、さらに香り成分が残り、苦味成分が出にくい製法です。

熟成・貯酒

主発酵を終えたビールは「若ビール」と呼ばれます。

若ビールの味や香りを整え、炭酸ガスを溶解させるために、主発酵とは別のタンクで熟成させます。

これを後発酵とも呼びます。

このときにホップを投入するのが、おなじみのドライホップです!

スタイル名に「DH」とついているものは「ドライホッピング」の略称です!

最近ドライホッピングのビールがめちゃくちゃ増えてますよね。

ろ過もしくは熱処理、そしてパッケージング

酵母を取り除いてから、缶や瓶や樽に詰めます。

このときに熱を加えて酵母の活動を止めると熱処理ビール、ろ過だけの場合は生ビールと呼ばれます!

生ビールについて詳しく


*写真は國乃長ビールの酒蔵見学に行ったときのものです。國乃長にはろ過システムも熱処理システムもないので、酵母が入ったままです(こういうクラフトブルワリーは少なくありません)。だから要冷蔵の商品となります!

入れるタイミングによって適したホップが違う!

ケトルホップでは、苦味に特徴のあるビターホップと呼ばれる品種を使います。

マグナムとかコロンバスとかですね。

ディップホップやドライホップに使われるのは、アロマホップと呼ばれる香りが特徴的なホップたちです。

ハラタウとかペルレなどなど。

中にはフレーバーホップという、苦味も香りも特徴的な品種もあります!

ソラチエースやカスケード、シトラなどです。

普通、ひとつのビールには複数種類のホップを使いますが、フレーバーホップを使う場合はケトルホップからドライホップまで同一品種のホップを使うこともあります!

わかりやすい例はソラチエースを使ったSORACHI1984ですね。

ホップを1品種しか使わないものをシングルホップと呼びます!

さらにモルトも1品種しか使わないものをシングルモルトと呼び、シングルモルトかつシングルホップで作られたIPAをスマッシュIPA(Single Molt And Single Hopの頭文字でSMASH)と呼びます!

ホップはどのタイミングでも入れられる!

つまりビールの魂であるホップは、

どんなホップを使うのか×いつ、どのくらい使うのか

という無限の掛け算によって決まるということです!!

(ちなみに、普通のホップの倍の量を使うことをダブルホップ、3倍の量を使うことをトリプルホップと言います!)

醸造酒の中で、いやお酒の中でも随一の幅広さをもつと言われる理由のひとつは、ホップにあると言えますね!

ホップを入れるタイミングで大体の味がイメージできる!

ちょっと情報量が多くて混乱しそうですが。。

赤い文字だけ覚えてもらって、それがどういう意味かはこのページをその都度読んでもらえたら、ビールの情報を読んだだけで味わいのイメージができるようになりますよ!!

皆さんの生活のそばに、おいしいビールとホップがありますように。

また皆さんの人生が、ホップの如くぐんぐん成長し発展されますように。

陰ながら応援しております!!

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