“EじゃなくてもAじゃないか”
というハッシュタグをご存知でしょうか??
ビール好きの皆さんなら、もちろん知っているかもしれませんね。
飲んだよ!という方も多いでしょう。
これは、今話題のサッポロビールのスペルミス商品に関するハッシュタグです!
事の発端はご存知の方も多いでしょうから簡単にご紹介しつつ、
「なんでスペルミスはダメなの?」
「陰謀説も聞いたことがあるけど、本当??」
「そもそもこのビールおいしいの?」
などもご紹介していきます!
ではまずはじめに、時系列から見ていきましょう!!
事の発端は
時は明治維新直後。
日本初の官営ビール醸造の地として札幌が選ばれ、明治9年に開拓使麦酒醸造所が開業しました。
この頃の様子は、この本に詳しく書かれています!!めちゃ熱い人間ドラマがあるので、興味のある方はぜひ読んでみてください!
そして、当時のビールを再現した「開拓使麦酒」がファミリーマート限定で今年の1月12日に発売される 予 定 でした。
しかし1月8日に、サッポロビールとファミリーマートから「表記ミスがあったので発売中止」との発表がありました!
本来なら
LAGER
と書かなければならないところを、
LAGAR
としてしまったのです!!
これは致命的ですね。
しかし、発売中止のニュースを受け
ファンからは「もったいない」「中味に問題が無いなら発売して欲しい」との声が相次いだ……
どころじゃない、サッポロファン総出で「もったいない」コールが起こりました。
それを受け、両社は1月13日に「表記はそのままで2月2日にリリースする」と公表されました!
せっかくのビールが廃棄されずに済んでひと安心です。
この発売中止撤回が話題となり、開拓使麦酒は普段の新商品より売り上げが良いようですね!
私も何軒かファミリーマートを探してようやく手に入れました。。
皆さんはもう飲まれましたか??
お酒のスペルミスは致命的
もちろん、どんなものでも名前を間違うのは失礼です。
皆さんも、名前を間違って呼ばれたり書かれたりしたら嫌ですよね?(“髙橋”さんを“高橋”さんと書くとか……ありがちですかね)
しかし、お酒の名前に関しては、気分の問題だけではありません。
消費者庁の法令では、商品の説明にあたる部分はきちんと書かないといけないよ、と決められています。
「これはお酒です」とか、「生ビール」(熱処理してないビールですよ)とかですね。もちろん誤表記があってはいけません。
そんな中でも、ことお酒の“E”に関しては、繊細な話題なんです!
ウィスキーの綴りが、「WHISKY」ならスコッチ、「WHISKEY」とE入りならアイリッシュウィスキーを指すのは有名です。
ビール界でも、「PILSNER」なら本場チェコのピルスナービール、「PILSENER」とE入りならピルゼン以外で作られたピルスナービールを指します!
それぞれ歴史的背景があっての表記なので、譲れないんです。。
このあたりはまた詳しくご紹介しますね!
「LAGER」は、貯蔵するという意味の「LAGERN」というドイツ語からきています。やはり「LAGAR」は完全に間違いですね。
実は最初から話題作りだったのでは……?説もある
あまりの売れ行きの良さに「実はスペルミスはわざとだったのでは……?」という陰謀説がまことしやかに囁かれています。
その根拠としては、
陰謀説の根拠
①発売中止発表から撤回までが早すぎる。その間に連休を挟んでいるのに、大企業がそんなに早く判断できると思えない
②ビアサプライズシリーズの不発が続いていたので、今回こそはという思いがあったのではないか(ビアサプライズシリーズはめっちゃおいしいですよ!詳しくはコチラ)
といったところでしょうか。
ことの真偽はわかりませんが、私の所感として
・サッポロビールは、ビールはおいしいけれど売り方はあまりうまくない(他社と比べると誠実すぎるように思う)
・ファミリーマートと共同発売であるが、今までのファミマ限定ブランドのビアサプライズシリーズとは明らかに違う
というところですね。「だからどうだ」とは論じられませんが。
陰謀説、信じるも信じないも、あなた次第です!!
そもそもこのビールおいしいの?気になる味は!?
一番大事なのはここです!!
「おいしいかどうか」
おいしくないなら廃棄ても良いという意味ではもちろんありません!
サッポロビールとファミリーマートが誤表記というリスクを負ってまで発売できるほどのビールかどうかは重要な問題です。
というわけで、飲んでみました!!
麦の旨み。
強いコクと飲みごたえ。
うまい!!!
うますぎる!!!!!
グラスをそろえて、サッポロ黒ラベルとも飲み比べてみました!
開拓使麦酒を飲んだ後だと、黒ラベルには雑味すら感じます(普段は大好きな推しビールなんですよ!)。
開拓使麦酒のどっしりとした安定感と深みのあるうまさは別格です。
色味の違いも明らかですね。伝統製法によるメイラード反応(照り焼きっぽい色がつく化学反応)かな?と思われます。
そう、なぜこんなにおいしいかというと、かなり古くからある製法を使っているからなんですね!!
その名も「ドライマイシュフェアファーレン」。
仕込み段階で温度を上げていくとき、全体量の半分くらいを沸騰させて元の容器に戻すことを3回行い、結果的に三段階に分けて徐々に温度を上げていくという、非常に手間のかかる仕込み方法です。温度計のなかった時代にはよく用いられましたが、現代では手間の簡略化・仕込み時間短縮のために、ほとんど使われていません。
この方法を使うと...
ドライマイシュフェアファーレン
狙った温度帯での効果をしっかり発揮できる(65度で糖化する、など)ので、雑味がなくどっしりした味わいになる。
だから、麦芽の濃醇さやホップの効果が十分発揮されているわけです!!
話題はただの入り口でしかない!
いろいろと言われているビールですか、おいしいは正義!!
おいしいこそ全て!!!
皆さんもぜひファミリーマートへ足を運んでみてください!!