店頭に秋色ビールが並びはじめましたね!
ビールの売り場で季節の移ろいを感じる今日この頃です。
さてさて、いよいよビール類の酒税改正が来月に迫ってきました。
発泡酒や第3のビールをどのように扱っていくのか?
大手メーカーにとって正念場と言えるでしょう。
具体的に何がどう変わるの?
ざっくり言うと、麦芽率の高いビールの税金が下がり、新ジャンル(第3のビール)の税金が上がります。
そもそも、ビールと発泡酒、新ジャンルの違いが分からないよ!って方は以前に書いた記事を読んでみてください!
どれくらい税金が変わるのかというと、350㎖ひと缶あたり
350mlあたり変わる金額
ビール :77円→70円
新ジャンル:28円→37.8円
数円の差ですが、積もり積もると大きいですよね。
ビール党としては、ビールが安く買えるので嬉しい報せです。
が、安く飲みたい(麦芽やホップにこだわらない)派からすると、10円近い値上げは家計に痛手です。
なんで今変わるの?
そもそも、ビールは税金が高すぎたんですよ。
表をご覧ください。
財務省 酒税改革より引用
今回の改正の前は同じ1㎘に対して
ワイン:8万円
日本酒:12万円
ビール:22万円 ですよ!
350㎖あたりにすると...
ワイン:28円
日本酒:42円
ビール:77円 なんです!!!
たしかに、ビールは生活に根付いたお酒ですよ。
多少高くても、必要なものにはお金を出します。
煙草もどんどん値上がりしていますよね。
嗜好品は絶対的に“やめられない層”がいるので、政府も「どんどん税金取っちゃおう!」と考えているわけです。
だからといって、ちょっとあまりにも不公平ですよね?
しかも、発泡酒と新ジャンルの違いなんて、知らない方の方が多いですよね??
だから今回の減増税は
今回の減税の目的
・ビールの税金を安くする
・ワインと日本酒の税金を高くする
・チューハイも高くする
・発泡酒と新ジャンルも統合して最終的にビールと同じにする
というのが目的です!
ただ、いっぺんに変えてしまうとメーカーも消費者も戸惑ってしまうので、段階を踏んで変えていこう、というわけですね。
今後、酒税はこうなっていきます!
3年後の2023年には、今回と同じようにビールが減税し、新ジャンルは増税します。
そして発泡酒と新ジャンルの区別がなくなります。
さらに3年後の2026年には、ビールと発泡酒の税金が同額となります。
これはどういう影響をもたらすでしょうか??
飲食店には
同じ値段なら、麦芽率の低い発泡酒や新ジャンルより、麦芽の多いビールを好む方の方が多いでしょう。
飲食店としても、お客様の好みに合わせて備えたいですよね。
今まで発泡酒を樽生で仕入れていたところは、ほとんどがビールになるんじゃないでしょうか。
「生中」と書いていながら発泡酒を提供するようなお店もなくなっていくでしょう。
家庭では
そもそも、なぜビールではなく発泡酒や新ジャンルを飲むのでしょうか?
理由の8割以上は「安いから」でしょう。
お金に余裕があって、ビールでも発泡酒でもどちらでも良いとなったときに「味が好きだから」と発泡酒を選ぶ層は2割未満なのではないでしょうか。
であれば、今後の動向としては
①発泡酒や新ジャンルは売れ行き低迷。節約したい派はそもそもビール系飲料を飲まなくなる
②ビール手放せない派は発泡酒・新ジャンルからビールへ。ビールの売り上げUP⬆︎⬆︎というところでしょう。
2026年までがビール業界の勝負!
私はこのニュースを聞いて
「やった!ビールが安くなるやん!!大手メーカーも、発泡酒や新ジャンルのことは忘れてビールの開発に注力するようになるかな」と思いました。
一方、「発泡酒、新ジャンル達はかわいそうやな。あれはあれで、各社企業努力の末に生み出された結晶やからな。」とも思いました。
これから2026年までの間に、大手メーカーが何をどのくらい作っていくのか。
味で選ばれるような低麦芽商品を開発するのか?
今の商品たちも徐々に生産量を減らしていくのか?
確実なのは、ビールが作りやすく&売りやすくなっていくことと、クラフトビールの隆盛と相まってピルスナー以外のラインナップも増えていくだろう、ということですね。
今後のビール業界の動向に注目です!