前回の記事では、IPAがどのような経緯で誕生し、世に認知されていったのかをご紹介しました。
今回は、最近増えすぎているIPAの分類を見ていきます!!
いやしかし、IPAが人気なのはわかるんですが、本当に種類が増えすぎています。。
「それってIPAと矛盾するのでは?」と言いたくなるようなものもありますが、とにかくIPAと名付けたら売れるので、仕方ない部分もあります。。。
気を取り直して、クラシカルな本国のIPAから、順に見ていきましょう!!
伝統的なIPA
イギリス生まれ、ヨーロッパホップを使った伝統的なIPAです。
これが難破したために、歴史は動いたのです!
代表銘柄:フラーズ・インディア・ペール・エール
ペールエールである「フラーズ・ロンドンプライド」が世界的に有名な、ロンドンの醸造所フラーズ。
IPAももちろん本場の味わいです!
イギリスホップを使用しているので、香草や紅茶のような香りがあります。
ボトル内二次発酵しているので、フレッシュなおいしさを味わうことができます!
普段IPAを飲み慣れている方にとっては、クラシカルなイングリッシュIPAは、ホップが控えめに感じられるかもしれません。
ウェストコーストIPA
アメリカでは、画一的でライトなアメリカンラガーに対し「伝統的な製法で味わいのあるクラフトビール」に注目が集まっていました。
1990年代、アメリカ産のホップを大量に投入したエールビールが大流行!!
その潮流は現在まで続いています。
特徴はなんといっても“アメリカンホップ”。
つまり、シトラスや松の樹脂のような香りが強いということです!
もちろん苦味は強いのですが、イングリッシュIPAに比べると、華やかな香りにより全体的なバランスが取れています。
特にアメリカ西海岸に素晴らしいブルワリーが集結しているため、“ウェストコーストIPA”と呼ばれています!
代表銘柄:STONE IPA
「THE ICONIC WEST COAST STYLE IPA」(ウェストコーストスタイルIPAのアイコン)という表記の通り、ウェストコーストIPAを飲むならまずはこれ!
アメリカ西海岸をリードするSTONEのフラッグシップビールです!!
むしろ、ウェストコーストIPAだけでなく、アメリカのクラフトビールブームに火をつけたのはSTONEだと言っても過言ではありません!!
その味わいは、強烈に苦い!!!
グレープフルーツ、レモン、松ヤニの香りがあり、衝撃的なインパクトです。
温度が上がると麦芽のニュアンスも出てくるため、最後の全体印象としては、不思議な調和感があります。
あんなに苦いのに飲み飽きないなんて、素晴らしい仕上がりです!
スコットランドIPA
IPAを語るうえで絶対に外せないのが、BREWDOG社でしょう!!
BREWDOGはスコットランド、つまりイギリスのお隣にあるブルワリーです。
しかし作られているビールには、アメリカンホップが大量に(そらもう大量に)使われています!!!
伝統を大切するイギリスの隣国で、大胆な所業をしますが、そこはBREWDOG!!
「うまいビールのためならなんだってやる」が信条ですから。
代表銘柄:PUNK IPA
うまい、どちゃくそにうまい、圧倒的にうまい!!!!!
とりあえず飲んでみてください!!!!!
ニューイングランドIPA(ヘイジーIPA)
アメリカの東海岸で、近年作られている新しいスタイルのIPAです!
NEW ENGLAND IPAの略でNEIPAと表記されることも多いです!
NEIPAの特徴
①大麦麦芽だけでなく、小麦麦芽やオーツ麦も使っている→クリーミーな口当たり
②ドライホップを大量に投入→苦味が溶けださない、香りがしっかりつく(ただし、本当に大量に入れないといけないため、原価は跳ね上がる)
③ ①と②の結果として、めちゃくちゃ濁る
④まるでオレンジジュースのような色、トロピカルフルーツを丸かじりしたような味わい
つまりおいしいってことですね!(直球)ご覧のようにめっちゃ濁ってますね!(アイスのせいではないです)
苦いビールが苦手なビギナーさんや、IPAをひと通り飲み尽くした玄人さんからも大人気のスタイルです!!
このブログ内では、“健康的なアクティブガール”へのおすすめビールとして登場しましたね!
実はわたしも“健康的なアクティブガール”タイプ。もちろんNEIPAは大好きです!!
NEIPAを注いだ動画をUPしました!これを見てイメージを膨らませてください♪
代表銘柄:シエラネバダ ヘイジーリトルシングIPA
カリフォルニアにあるシエラネバダは、アメリカのクラフトブルワリーを牽引する醸造所です。
日本だとヤッホーブルーイングのような存在ですね。
ヘイジーリトルシングIPAは、他のヘイジーIPAと比べると、ボディ(飲みこんだときの重さ)が少し軽めです。
フレッシュなフルーツの香りがしっかりとあり、まるで果物系の炭酸ジュースのような味わいです!!
その他のIPA
セッションIPA
セッションとついていれば、本来のスタイルよりアルコール度数が低めという意味です。
インペリアルIPA(ダブルIPA)
インペリアルやダブルとついていれば、本来のスタイルより麦芽もホップも多く使用し、アルコール度数が高めという意味です。
スマッシュIPA
普通、麦芽やホップは何種類がブレンドして使います。
麦芽1種類だけで作ったものはシングルモルト、ホップを1種類のみで作ったものはシングルホップと呼ばれます。
シングルモルトで、かつシングルホップのIPAは、スマッシュIPAと呼ばれます。
ブリュットIPA
ビールは、酵母菌が糖をアルコールと二酸化炭素に分解することによって作られますが、どうしても少し酵母が分解しきれない糖が残ってしまいます。
特殊な酵素を添加して、ビールに残る糖を完全になくしたIPAがブリュットIPAです!
ブリュットは、辛口のシャンパンに記載される「Brut」と同じで、“ドライな、辛口の”という意味です。
クリームIPA
クリームエールのホップましましがクリームIPAです!
クリームエールとは、エール酵母で発酵させているのに、ラガー酵母と同じように低温で長期熟成させたビールのことです。
さっぱりしてキレがよい仕上がりになります!
IPAはもっともっといっぱいあって奥深い!
今回はスタイルの代表銘柄ということで、それぞれを代表するビール達をご紹介しました。
しかし足りない!!
SMOGCITY、REVESION、うちゅうブルーイング、ラグニタスなどなど………魅力を語りたい、衝撃を受けるおいしいビールがたくさんあります。
ぜひまた、いつかの記事で、うまいIPAについて書きたいと思います!!
その日まで、PUNK IPAを飲んでIPA沼で待っていてくださいね!!