ビールのスタイル

ハイブリッドによる究極のバランス!ケルシュを紹介!

春爛漫のこの頃、皆さまいかがお過ごしでしょうか??

ブログを開設してより、たくさんのビアスタイルをご紹介してきました。

実は、ご紹介してきたビアスタイルはこちらの記事で挙げた、ざっくりした分類に則っていたのです!

半分くらいはご紹介できましたかね?

これからも、マリアージュとともに少しずつわかりやすくご紹介していきますので、楽しみにしていてくださいね!

さてさて、今日ご紹介するビアスタイルは、ドイツのケルン地方を代表するビール、ケルシュでございます!!

うららかな春の気候にぴったりのビールです!

早速見ていきましょう!!

「ケルシュ」を名乗るには

ケルシュは、ビール界では少ない
“その場所で作られたものしか名乗れない”という“原産地呼称統制”をもつもののひとつです!

シャンパーニュ地方のスパークリングワインしかシャンパンを名乗ってはいけない、みたいな決まりですね。

原産地呼称統制を持つものは、これまでにはランビックトラピストをご紹介してきました。

ケルシュも、「ケルン協定」というAOCの協約によって“ケルン近郊の24の醸造所しかケルシュを名乗れないと決まっています!

が………

実のところ、日本のクラフトビールの中には「ケルシュ」という名前のものもいくつかあります。。

さすがにこんな極東の国までは強制力がないのでしょうか??

ビール界に「もうええんちゃうの?笑」感があることは事実です。。

決まりを破ってまでも作られるケルシュとは、いったいどんなビールなのでしょうか??

ケルシュの特徴

ビールにとって一番大切な分類は

エールかラガーか

というのは、こちらの記事で詳しくご紹介しましたね。

ざっっっくりまとめると...

 酵母熟成味や香り
エール上面発酵高温・短期間香りが華やか
ラガー下面発酵低温・長期間爽やかな飲み口

ケルシュは、上面発酵酵母(エール酵母)を使っていながら、低温・短期間で熟成(ラガーの熟成)させている、とても珍しい作り方をしています!

そうすることで、華やかな香りと爽やかな喉ごしを併せもつハイブリッドビールを生み出しているんです!!

これがいくらでも飲めそうなくらいおいしくなっちゃうんですよね!!!

見た目の特徴

色はクリアで美しい黄金色です!

ぱっと見は、ピルスナーとそんなに違わないですね。

自然な泡立ちがありますが、すぐに落ち着きます。
ビールに泡はいらない!という方にはおすすめです!

「ケルン協定」により、ケルシュを注ぐグラスは200㎖の筒型で、縁から1インチが泡と液体の境目にしないといけないと決まっています。

このグラスはシュタンゲ(ドイツ語で「棒」という意味)と呼ばれます。
とてもかわいいグラスですね!

味わいの特徴

さすが「エールとラガーのええとこ取り!!」なだけあって、とてもバランスの良いビールです!

まず香り。
麦っぽさも、ホップっぽさも、穏やかで控えめです。
かすかにエール酵母由来なフルーティな香りがあります。

ひと口味わってみると、麦の柔らかな甘みがふわりと漂います。
ホップの苦みはほとんど感じられません。

心地よい炭酸の刺激が駆け抜け、あと味には麦芽の軽い余韻が訪れます。

ラガーほどガツンとしておらず、エールほど複雑ではない、不思議なビール。。

この飲み飽きない究極のバランスは、まさにハイブリッドビールです!

ケルシュに似たクリームエールとの違い

同じように、上面発酵酵母を使っていて、低温で長期熟成させている「クリームエール」というスタイルもあります。

クリームエールとケルシュの違いは

①ケルン協定で認められたケルン地方のビールかどうか

②主発酵も低温なのがケルシュ 、後発酵(貯酒)だけ低温


なのがクリームエールです!

どちらも香り華やか&キレがよく飲みやすいビールです。

ケルシュは特殊な飲み方がある!

ケルシュはシュタンゲで飲むというのは、先ほどご紹介しました。

ケルン地方でレストランに入ると、日本でのお冷と同じようにケルシュが出てきます。

飲み終えたシュタンゲをそのままにしておくと、店員さんがすぐに新しいものと交換してくれます。

日本のウォーターサービス(「お冷お注ぎしましょうか?」のやつ)と同じですね。

つまり、放っておくと、椀子そばのように、いつまでもケルシュが飲めるということです!

店員さんは、お客さんが何杯飲んだかを、コースターに線をひいて数えます。

そのコースターをグラスの上に乗せたら、「もうおかわりは結構です」の合図です!

最後はそのコースターをもってレジへ向かいます。
ユニークな勘定方法ですね!

ケルシュの代表銘柄

ガッフェル ケルシュ

ケルン有数の伝統ある醸造所。

ドライでキレが良いのが特徴です!

小麦が使われているので、他のケルシュと比べるとフルーティさが強めです。

私が飲んだケルシュの中では一番好きな味でした!

ドム ケルシュ

ケルシュの中ではトップを誇るブランド。

かなりフレッシュで、瑞々しい口当たりです。

エール由来のふくよかな味わいで美味でした!

フリュー ケルシュ

日本では一番よく目にする機会の多いケルシュ。

ほのかな甘い香りとキレの良さの絶妙なバランスは、たしかに日本人好みだなと感じます。

一度は飲んでいただきたい逸品です!

春にはケルシュがピッタリ!

麦もホップも控えめで軽やかなケルシュは、穏やかな昼下がりにもってこいのビールです! 

今年は、レジャーシートを広げてのお花見などは難しいかと思いますが……

ケルシュをお供に、桜並木を散歩したりするのはいかがでしょうか??

次回はケルシュを使ったマリアージュをご紹介します!ご期待ください!!

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