前回までの記事で、ホップがどれだけビールに最適で、すっごい効能があるかを紹介してきました!
今回の記事ではそんなホップの種類と原産国、それぞれのホップによってどんなビールが出来上がるのか紹介しようと思います!
ホップの種類 -用途別-
ホップは用途によって、以下の4種類に分類されます。
アロマホップ
香りの強いホップ。
例:カスケード、ハラタウトラディション
カスケードの代表銘柄:PUNK IPA(BREWDOG)
ビターホップ
アルファ酸の含有量が多く、苦味の強いホップ。
例:マグナム、コロンバス
マグナムの代表銘柄:シエラネバダ ペールエール
ファインアロマホップ
アロマホップやビターホップに比べると、香りは穏やかで苦味も上品。
例:ザーツ、テトナング
ザーツの代表銘柄:ピルスナーウルケル
その他
上記に当てはまらないもの。
例:ソラチエース、信州早生
ソラチエースの代表銘柄:SORACHI1984
ホップの分類ー産地別
先ほどのアロマホップだとかビタリングホップだとかの分け方は、醸造評価による商取引上のものです。
作ったり売ったりすることなく、ただ飲むだけの方からしたら関係ないかもしれません。(もちろん、覚えておくと役に立ちますよ!)
今から紹介するのは、飲み手の皆さんにも是非覚えていただきたい分類です!
それは「ホップの産地」です。
ホップは、産地によってかなり特徴が違います。
ということは、そのビールに使われているホップがわかれば、味わいがある程度予想できるということです!
苦味が苦手な方は特に、どんなホップがどれだけ使われているかを知れば、好みでないビールを外すことができるかもしれません。
チェコ
世界有数のホップ生産国チェコには、ドチェスナーというホップの収穫祭があるほど、高品質なホップの原産地です。
実は、日本のホップ輸入量の約4割がチェコ産なんです!
そんなチェコのホップは、香りも苦味も穏やかでクラシカルなところが特徴です。
大手メーカーも採用しているので、我々日本人にとっては馴染み深いホップです。
代表銘柄:ザーツ
ドイツ
ドイツも伝統的なホップの生産国です!
「ノーブルホップ」という、苦味が穏やかで爽やかな香りのする、4大ホップがあります。
このノーブルホップというのは、含有成分によって法的に規制されているんですが、その4つのうち、ザーツ以外の3つ(ハラタウラー、シュパルター、テトナング)はドイツのホップなんです!
ドイツのことを知れば知るほど、おいしいビールを作ることに命をかけてきたんだと伝わってきますね。
代表銘柄:ハラタウ・トラディション、テトナング
イギリス
イギリスも伝統を重んじる国ですね。
何百年も前から続く、エールビールの歴史があるので、ホップがビールに最適な香草として定着するのは他の国より少し遅く、17世紀頃になります。
しかし、伝統や利権<<<おいしいビールという圧倒的な自然の摂理は万国共通です。
ホップが入ったものをビール、ホップの使われていないものをエールなどと呼んで区別していたのは、過去の話になりました。
そんなイギリスのホップの特徴は、ずばり「ハーブぽさ」ですね!
刈り草っぽい、スパイシー、紅茶っぽい、ミント、花っぽいなど個性豊かな香りがありますが、全体的に「香草らしさ」が強めです。代表銘柄: ファッグル、ゴールディング
アメリカ
世界の国旗様より引用
ヨーロッパのホップが香草ぽいのに対して、アメリカのホップは ずばり「柑橘ぽさ」が特徴です!
果肉感、柑橘の皮の苦味と渋味、そういった柑橘の香りを強く感じます。
特に頭文字がCで始まるホップはアメリカンホップの特徴をよく表していて、「C系ホップ」と言われています。
代表銘柄:アマリロ、カスケード、シトラ、モザイク
オーストリア・ニュージーランド
旅行のともZenTech様より引用
「ニューワールド(新世界)のホップ」として注目を集めています。
トロピカルフルーツのような香りが特徴です。
ニュージー産で一番有名なネルソンソーヴィンは、フレッシュな白ブドウのような香りがします!
代表銘柄:ギャラクシー、ネルソンソーヴィン
ホップのコレが分かればビールの味が予想できる!
この記事で一番覚えてほしいのはここです‼️
ポイント
・ヨーロッパのホップは「ハーブ」っぽい
・アメリカのホップは「柑橘」っぽい
・ニューワールドのホップは「トロピカルフルーツ」っぽい
*例外はあります
これさえ覚えておけば、ホップの品種を見ただけでもフレーバーの想像がつくようになります!
ここまで読んでいただいた皆さんは、ビール上級者へ一歩近づけましたね!!
いずれ私と同じように、ホップを摂らないと『なにかもの足りないなぁ……』と感じるようになってきますよ!
その日まで、沼の深淵でお待ちしております‼️‼️
いむらのホップの近影です!成長が止まりません。。かわいい