今まで、数々のビアスタイルを、ざっくりと、ビール初心者さんでもわかりやすくをモットーに、ご紹介してきました。
そしてついに、IPAの出番です……!!!
IPAは、今このビールシーンにおいて大流行を巻き起こし、世界中を席巻しているスタイルです。
皆さんも、一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか?
IPAはひと口には語れませんので、今回はどんなスタイルなのか、簡単にご紹介します。
次回の記事で、IPAの中での分類と、その代表銘柄をご紹介します!
それでは早速、「IPAとはなんぞや??」から解説していきます!!
IPAとはどこでどうやって生まれた?
工業用の消毒液として有名な“イソプロピルアルコール”の略、別名“2-プロパノール”……のことではありません!!笑
IPA(アイピーエー)は“インディア・ペール・エール”の略で、インドのペールエールという意味です!
IPAの起源
時は18世紀、世界は大航海時代。欧米列強は新たな植民地を求めて、アジア・アフリカ・南米を目指していました。
イギリスはインドを支配していましたが、本国からインドへ向かう船旅はかなり長いものでした。
道中の娯楽のためと、栄養補給のためにビールが積まれていましたが、蒸留酒と違い、ビールはいたみやすいのです。
そのため殺菌作用が強く、劣化を防ぐ効果のあるホップを大量に使ったペールエールを特別に造り、船に積んでいました。
ある日、船が難破し、ホップましましビールが本国に流れ着いてしまいました。
それをひと口飲んだイギリス人は、「なんじゃこれは!海兵さん達はこんなうまいビールを飲んでいるのか!儂らにも飲ませろ!!」と叫びました。
そのビールはインドへ向かう途中だったペールエールなので、インディア・ペール・エールと呼ばれ、大人気になりました。
というのが、今現在伝わっている通説です。
しかーし!!
当時の文献を読み解いていくと“オクトーバービールという高アルコールビールがあり、輸出用のIPAとなり、アルコール度数を低くしたペールエールが誕生した”という全く新しい説も出てきています。
これが本当なら、教科書(びあけんのテキスト)が書き換わる事件です!
今後、どんな証拠が出てくるのか、要注目です!!
IPAの特徴
とにかくホップです!!ホップホップ!!!
ホップの香りが豊かで、ひたすら苦いです!!嫌がらせかのように苦い!!!
これがうまいんですよね〜〜!
半年に及ぶ航海に耐えないといけなかったので
IPAの特徴
①高アルコール
②ドライホップ
③長い二次発酵
という特徴があります!
①高アルコール
アルコールには殺菌作用があります。
コロナ禍になってから、皆さんもアルコール消毒を日頃からされているかと思います。
ビールが劣化する原因のひとつに、雑菌による腐敗があります。
アルコール度数を高めることで、雑菌の繁殖を抑えることができるのです!!
IPAの標準アルコール度数は、4.5%〜7.0%です。
②ドライホップ
ホップには素晴らしい作用がたくさんありますが、一番重要なのは殺菌作用ですね。
ホップを大量に投入することによって、雑菌の繁殖を抑制できます。
普通、ホップは煮沸工程という、発酵前にぐつぐつ煮る工程で投入されます。
それによって、ホップの成分がしっかり抽出されますが、苦味が強くなります。
IPAはさらに殺菌作用を高めるため、発酵の途中や発酵が終わったあとにもホップを投入します!
それによって、フレッシュなホップの香りも強まります。
③長い二次発酵
発酵が終われば、あとは劣化していくだけです。(もちろん発酵しすぎても良くないのですが……)
そこで当時のブルワー達は考えました。
「船旅の間中、発酵が続いていたら、雑菌も抑えられるんじゃね?」
というわけで、主発酵を終えたビールに、さらに酵母とプライミングシュガーを添加し、開栓するその時まで発酵が続くようにしました!
おかげで、他のビールは開栓する頃には炭酸ガスが徐々になくなっていたのに対し、IPAは炭酸ガスもあり、できたてのおいしさを感じられたのです!!
つまりIPAってのはこういうものです!
アルコール度数を高め、ホップをましましにしたペールエールということです!
つまり、うまいってことです!!
IPAを飲むと、耳の下がいがいがしますし、舌に鼻にいつまでもIPAの余韻が主張してくるので、「あー、今日はIPAを飲んだんだなー!」と実感できます。
これが幸せなんです!!
次の記事では、◯◯IPAなど、IPAの中での分類と、その代表銘柄をご紹介します!
要チェックです!!!