ビールのスタイル

甘くて苦くてキレも深みもある伝統的なビール!「ポーター」を紹介!

このブログを書き始めて約1年。

ビールの魅力に気づき始めた方へ向けて、「わかりやすく」をモットーにビアスタイルやマリアージュをご紹介してきました。

ビアスタイルはこの記事をもとに、かなりざっっくりした分類でご紹介してまいりました!

好みのビールの見つけ方

初心者さんへおすすめのビール
それがもう、いよいよ今回ご紹介するポーターでコンプリートです!!

ここまで書いてこれたのも、いつも読んでくださる皆さまのお陰です。本当にありがとうございます!

それでは早速、今回のビール“ポーター”が生まれた背景からみていきましょう!!

ポーターの誕生はパブリカンの“逆転の発想”

イギリスでは1697年に麦芽へ課税されたことを受け、ホップ多め&麦芽の色が淡いペールエールが生まれました。

ペールエールについて詳しく


爆発的な人気となったイギリス南部のペールエールに対して、北部では「ホップましまし苦めなビールがはやってるんやったら、逆に麦芽の甘みたっぷりなビール作ったるわ!」という対抗意識が勃発、ブラウンエールが誕生します!

イングリッシュ・ブラウンエールについて詳しく


1925年にJ・ポータ大佐によって開発されたブラウンエールは、2年後のロンドン醸造博覧会のボトルビール部門で1位を獲得します。素晴らしいですね。「うちはうちのうまいビールを作ってやる!」という気概に称賛の拍手を送りたいです。

さてさてロンドンでは、苦いペールエール、甘いブラウンエール、それにちょっと古くなって酸味などが出てきた古いブラウンエールの3つを混ぜる「スリースレッド」(「3つのより糸」の意)という飲み方が大流行していました。

ある日、パブの店主であるラルフ・ハーウッドさんは考えました。


「毎回混ぜるのめんどくね?
最初から混ぜて瓶詰めしたら良くね??」


こうして1722年、ペールエール、ブラウンエール、古いブラウンエールを混ぜた「エンタイア」(「ひとまとめ」の意)が発売され、これまた大人気となりました!

いいですね〜。

麦芽に課税されたらホッピーなビールを作る、混ぜるの面倒なら最初から混ぜて売る。

こうやって人間が知恵を出し合って作ってきたのが歴史であり、そこに必ずビールの姿があるんです。

エンタイアが提供されていたラルフさんのパブは青果市場の近くにあったので、荷運び人さんに好んで飲まれました。

現在の日本では物流の方がビール飲みながらトラック運転するなんて考えられませんけどね!笑

“ポーター”と呼ばれる荷運び人さん達がラルフさんのお店で今か今かと待ち構えていたところ、新しいエンタイアが届いて「ポーターッッ(届いたで)!!」と叫ばれたことから、エンタイアは「ポーター」と呼ばれるようになります。

皆さんご存知のカバンで有名なポーターもこの「荷運び人」を指します!

ポーターは海を渡り、アイルランドでアーサー・ギネスによって「スタウト・ポーター」が生み出されました。

スタウトについて詳しく


スタウトが世界中から人気を博すと、ポーターは徐々に衰退していきます。

しかし近年の「伝統的なスタイルを見直そう」というアメリカン・クラフトビールの隆盛を受けて、ポーターも少しずつ見かけられるようになってきました。

ポーターの歴史を紐解くと、おいしいものを求め、工夫をこらしてきた人類の歴史を感じます。

それぞれの時代にそれぞれの人生を背負った人々が、おいしいビールを作り、運び、歴史を繋いできました。

そして今に生きる私たちが、その結晶たるビールを飲むことができているんですね。乾杯!!!!!
Swell
記事の途中でもう飲んどるやん!

ポーターの特徴

発酵の分類はエールビール。

エールとラガーの違いを詳しく


モルトのコクが香ばしく、ホップの苦味も効いており、味わいに深みのあるボディ強めなビールです。

イギリスビールらしく、魚介類と相性ばっちりです!

真っ黒なロブストポーターと、赤みがかった茶色のブラウンポーターがあります。

ポーターの代表銘柄

フラーズ ロンドンポーター

ロンドンの老舗醸造所、フラーズが造るロブストポーターですです!

クリスタルモルト、チョコレートモルト、ブラウンモルトをブレンドし、さらにイギリス産のファグルホップを贅沢に使っています。

コーヒーやビターチョコのような香りと、意外にもキレのよいすっきりさのある本場の味わいです!!

スポーツ観戦しながら、パブでゆっくり飲みたいビールですね〜。

アンカー ポーター

“アメリカンクラフトビールの教科書”と言われたアンカー社の、定番ラインナップのひとつです!

「真っ黒なエール」という見た目に反して、キレがよくするするっと飲める1本です。

キャラメルや黒糖を思わせるまろやかな甘味と、ホップの苦味のバランスが最高です!

外でBBQをするときには絶対持参したいビールです。

サッポロビールアンカー ポーター 瓶 355mlx6本

ヤッホーブルーイング 東京ブラック

最も入手しやすいポーターと言えばこちらでしょう!!!

いむらいち推し、ヤッホーブルーイングさんの造るロブストポーターです。

口当たりが非常になめらかで、どちらかというと甘みが強め。

醤油・味醂・出汁と相性がいいので、普段の晩酌にもってこいです!

長野県 よなよなエール 東京ブラック 350ml

人類の歴史にビール在り!!

今回はポーターの生い立ちを紐解きながら人類の歴史を垣間見つつ、どんなシーンで楽しみたいかを考察してきました。

これをもって、ざっっくりした分類の紹介はコンプリートできました!!

今後は細かいスタイルの説明をしていきながら、今までご紹介してきたスタイルに合うお料理についてもどんどん書いていきます!

今後とも応援よろしくお願いいたします!!

スポンサーリンク

人気記事

1
2

皆さんは「劇場版 鬼滅の刃 無限列車編」をご覧になりましたか?? 興行収入や動員数のみならず、コミックの売り上げや鬼滅を取り巻くグッズなど社会現象を巻き起こしてますね! いむらもようやく観に行く事がで ...

3

よく「いむらさんに紹介してもらって、はじめて美味しいと思えるビールに出会えた!」と言われます。 本当に嬉しいですね。ビールの素晴らしさを人に伝える活動をしていて本当に良かった!と思います。 あなただけ ...

-ビールのスタイル
-, , , , , , ,